【受験生必見!!】「部分積分」を一瞬でやる裏技
さて全然更新していない当ブログ。周期表の覚え方を記載しているためか毎月のべ100人程度はアクセスしてくれているようです。そこで今回は高校生向けにもう一つ記事を書きたいと思います。テーマは瞬間部分積分。部分積分を一瞬でやるテクニックで、割と便利な方法なので、受験生だけでなく理系大学生も必見です!
部分積分の復習
まずは部分積分の復習です。部分積分とはいわゆる"積の微分法"の逆にあたり、関数の積を積分する際の計算方法のことでです。"積の積分法"といってもいいかもしれません。
▶︎ 積の微分法
これは"微分そのまま+そのまま微分"なんて言って覚えるといいですよね。
▶︎部分積分
上の式(1)を移項して
これを両辺xで積分してやると
という部分積分の公式が出てきます。
こちらは"積分した後マイナス微分"などと覚えるといいかもしれません。
例えば を積分しろと言われた場合、
\begin{eqnarray}\int x\sin x\ dx &=& x \ (-\cos x) - \int \ (-\cos x) \ dx \\
&=& -x \cos x+\sin x+const.\tag{4}\label{4}\end{eqnarray}
となります。
部分積分の繰り返し
では
\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx
\end{equation*}
はどうやって解けば良いでしょうか。
手元にPCがあれば WolframAlpha を使って
x^2sinx integral - Wolfram|Alpha
のように答えを教えてもらいますが、なければ部分積分を繰り返し使って
\begin{eqnarray}
\int x^{2} sinx\ dx &=& -x^{2} cosx-\int ( -2xcosx) dx\\
&=& -x^{2} cosx+2x\ sinx-\int 2sinxdx\\
&=& -x^{2} cosx+2x\ sinx+2cosx+const.\tag{5}\label{5}
\end{eqnarray}
として解くのが一般的でしょう。しかしこれを
\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx=-x^{2} cosx+2x\ sin x+2cosx+const.\tag{6}\label{6}
\end{equation*}
のように一気に解けないでしょうか。そこで登場するのが瞬間部分積分です。
瞬間部分積分
関数 の 回微分を 、関数 の 回積分を とすると、部分積分の繰り返しは
\begin{eqnarray}
\int fg\ dx&=&fG_{1} -\int f_{1} G_{1}\\
&=&fG_{1} -f_{1} G_{2} +\int f_{2} G_{2}\\
&=&fG_{1} -f_{1} G_{2} +f_{2} G_{3} -f_{3} G_{4} +......\\
&=&\sum _{j=0}^{\infty }( -1)^{\ j}\ f_{j} G_{j+1}\tag{7}\label{7}
\end{eqnarray}
と表せます。積分微分、積分微分でプラスマイナスが入れ替わるイメージで覚えるといいです。これを頭の中で行えば、先ほどの のように
\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx=-x^{2} cosx+2x\ sin x+2cosx+const.\
\end{equation*}
と一気に解けます。
まず を積分した と を合わせて を作ります。
プラスマイナスをひっくり返して をつくるといったように考えていきます。
この瞬間部分積分をマスターすれば、や などの問題も一気に解くことができるので、是非身につけてみてください。