めんまのつぶやき

【受験生必見!!】「部分積分」を一瞬でやる裏技

さて全然更新していない当ブログ。周期表の覚え方を記載しているためか毎月のべ100人程度はアクセスしてくれているようです。そこで今回は高校生向けにもう一つ記事を書きたいと思います。テーマは瞬間部分積分。部分積分を一瞬でやるテクニックで、割と便利な方法なので、受験生だけでなく理系大学生も必見です!

部分積分の復習

まずは部分積分の復習です。部分積分とはいわゆる"積の微分法"の逆にあたり、関数の積を積分する際の計算方法のことでです。"積の積分"といってもいいかもしれません。

▶︎ 積の微分
\frac{d}{dx}(\ f\left(x\right) g\left(x\right) )= f^{\prime}g + fg^{\prime}\tag{1}\label{1}

 これは"微分そのまま+そのまま微分"なんて言って覚えるといいですよね。

▶︎部分積分
 上の式(1)を移項して
fg^{\prime} =  \frac{d}{dx}(\ f\left(x\right) g\left(x\right) ) - f^{\prime}g\tag{2}\label{2}
 これを両辺xで積分してやると
\int fg^{\prime}dx = f g  - \int f^{\prime}g dx\tag{3}\label{3}
 という部分積分の公式が出てきます。
 こちらは"積分した後マイナス微分"などと覚えるといいかもしれません。

f:id:mennmabacon:20161219003009p:plain

例えば x\sin x積分しろと言われた場合、
\begin{eqnarray}\int x\sin x\ dx &=&  x \ (-\cos x) - \int  \ (-\cos x) \ dx \\
                        &=& -x \cos x+\sin x+const.\tag{4}\label{4}\end{eqnarray}

となります。

部分積分の繰り返し

では 
\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx
\end{equation*}

はどうやって解けば良いでしょうか。

手元にPCがあれば WolframAlpha を使って

f:id:mennmabacon:20210413222244p:plain

x^2sinx integral - Wolfram|Alpha

のように答えを教えてもらいますが、なければ部分積分を繰り返し使って
\begin{eqnarray}
\int x^{2} sinx\ dx &=& -x^{2} cosx-\int ( -2xcosx) dx\\ 
&=& -x^{2} cosx+2x\ sinx-\int 2sinxdx\\
&=& -x^{2} cosx+2x\ sinx+2cosx+const.\tag{5}\label{5}
\end{eqnarray}

として解くのが一般的でしょう。しかしこれを 
\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx=-x^{2} cosx+2x\ sin x+2cosx+const.\tag{6}\label{6}
\end{equation*}

のように一気に解けないでしょうか。そこで登場するのが瞬間部分積分です。

瞬間部分積分

瞬間部分積分とは、部分積分の繰り返しを一気に行う方法です。

関数  f n微分 f_{n}、関数  g n積分 G_{n} とすると、部分積分の繰り返しは
\begin{eqnarray}
\int fg\ dx&=&fG_{1} -\int f_{1} G_{1}\\
&=&fG_{1} -f_{1} G_{2} +\int f_{2} G_{2}\\
&=&fG_{1} -f_{1} G_{2} +f_{2} G_{3} -f_{3} G_{4} +......\\
&=&\sum _{j=0}^{\infty }( -1)^{\ j}\ f_{j} G_{j+1}\tag{7}\label{7}
\end{eqnarray}

と表せます。積分微分積分微分でプラスマイナスが入れ替わるイメージで覚えるといいです。これを頭の中で行えば、先ほどの (6) のように

\begin{equation*}
\int x^{2} sinx\ dx=-x^{2} cosx+2x\ sin x+2cosx+const.\
\end{equation*}

と一気に解けます。

まず  sinx積分した  -cosx x^{2} を合わせて -x^{2} cosx を作ります。

その後 x^{2}微分して  2x を、 cosx積分して  sinxを作り、

プラスマイナスをひっくり返して  +2x\ sin xをつくるといったように考えていきます。

この瞬間部分積分をマスターすれば、\displaystyle \int x^{3} e^{x} dx\displaystyle \int x^{2} cosx\ dx などの問題も一気に解くことができるので、是非身につけてみてください。